個人加盟制の医師の職能組合である全国医師ユニオン

2010年11月18日 JAL再建と安全性に関する国交省への要望書

20101118国土交通省への要望書.jpgのサムネール画像

国土交通省

大臣 馬淵澄夫 殿 

 

 

全国医師ユニオン

代表 植山直人  

 

 

 

安全性を犠牲にしたJALの再建が行なわれないことを希望します(要望書)

 

 

JAL再建に関して、日本航空乗員組合が人格権を侵害するような退職強要が行なわれているとして、東京地方裁判所に退職強要禁止の仮処分命令の申立を行なったと聞いています。さらに整理解雇が行なわれると聞き、空の安全性が脅かされる危惧を抱きます。

私たち全国医師ユニオンは、去る731日に、「命の安全を守り労働のルールを考えるシンポジウム『いのちⅡ』」を航空関係の方々と共催しました。このシンポジウムにおいては、主に過労と安全の問題を中心に議論を行ないました。そしてパイロットのみならず航空乗務員全体の体調管理やチームワークは事故防止にとって不可欠の要素であることが確認されました。

今回のJAL再建においては、運航乗務員に白紙のスケジュールを渡すことにより退職を迫るなど人格権の侵害ともいえる行為が行なわれていると報道されています。このような事態は安全性を求められる航空会社の職員に不要なストレスを与えたりチームワークの低下を招き、重大事故のリスクを高めることに繋がりかねません。事故を防ぐための「ヒヤリ・ハット」報告が減少するなど、あってはならない危険リスクの上昇が起こっているとも聞き及びます。

 

航空の安全に関しては、従業員の責任、会社の責任、国の責任が問われますが、この3者の協力なくしては、安全運航は成り立ちません。労使の誠実な話合いと安全性を重視した国の関与が必要であると考えます。

羽田空港の24時間化で、乗務員の労働強化などによる安全性の低下が危惧される中で、JAL再建が、職員の人権や安全性を軽視したかたちで強引に進められることがないように要望します。

医療や航空において絶対的な安全は存在しません。私たちは、少しでもリスク因子を取り除き、より安全・安心の社会の実現を目指して日々努力しています。このような視点から、今回のJAL再建が労使の信頼関係を壊すことなく円滑に進むように、政府が適切な指導・援助を行なうことを心から希望します。